要約・論述の前提となる記述力について解説をしています。
ここでは、「方針・指針・考え方」「つまずき」「学力基盤の構築」「トレーニング・レッスン」「学習アドバイス・ご相談」の5つの記事に分けてまとめています。

書く力


【方針・指針・考え方】

文部科学省のホームページでは、国語科教育のあり方として『情緒力・論理的思考力・思考そのものを支えていく語彙力の育成を重視していくことが必要である』と書かれています。
また、その中で「読む・書くが確実に身につくようにしていくことが大切である」といえる理由の一つとして、「論理的思考力の育成は「書く」ことが中心になること」を挙げています。

指導の重点は「読む・書く」にある

小学校段階では、 「聞く」「話す」「読む」「書く」のうち、 「読む」「書く」 が確実に身に付くようにしていくことが大切である。 これは、いわゆる「読み・書き」の徹底を図ることが重要であること、 情緒力を身に付けるには 「読む」ことが基本になること、 論理的思考力の育成は 「書く」ことが中心になると考えられることによる。今以上に、 「読む・書く」 の定着を図ることが重要である。
さらに、「書く」ことは、 考えを整理し、 考えることそのものの鍛錬にもなる。 したがって、 まとまった話をするためにも書くことは大切である。 また、 「聞く」「話す」「読む」と「書く」を組み合わせて指導していくという観点も重視すべきである。 最近の子供たちは一般に 「書く」ことを嫌う傾向にあるが、これは何をどのように書いたらよいかが十分に指導されていないことに加えて、 忍耐強く一つのことに取り組もうとする力が不足している面もあろう。 この点に対する配慮も大切である。

こどもの学びをサポートする大人には、言語領域に関わる「国語」において、こどもの四技能「聞く、話す、読む、書く」のサイクルを適切に循環させることが大切です。

また、基本的な考え方として「読めないと書けない」という原則を知ることで、「書く」ためには「読むこと」がしっかりとできていることが前提となります。これは漢字の読みと書きも同様です。

文部科学省のホームページには、先程の引用に続いて次のように書かれています。

さらに、「書く」ことは、考えを整理し、考えることそのものの鍛錬にもなる。したがって、まとまった話をするためにも書くことは大切である。また、「聞く」「話す」「読む」と「書く」を組み合わせて指導していくという観点も重視すべきである。最近の子供たちは一般に「書く」ことを嫌う傾向にあるが、これは何をどのように書いたらよいかが十分に指導されていないことに加えて、忍耐強く一つのことに取り組もうとする力が不足している面もあろう。この点に対する配慮も大切である。

ここにかかれていることを指針として、まずは会話を通して、自身の意見(賛成・反対やその理由)を発することから始めるとよいでしょう。
こどもの学習をサポートする大人の問いかけ方が問われると言っても過言ではありません。

ことば・語彙、言い回しや表現方法などを、まずは聞くこと、読むこと(インプット)をした上で、話すこと、さらに書くこと(アウトプット)へと向かうよう大人が働きかけることこそが、こどもの「書く力」を育む第一歩となります。 声に出して読んだあとにその文章を写してみたり、大人が読んだあと聞こえた通りに書いてみたりして、こどもに負担を感じさせず書く作業を増やしていくのもいいでしょう。

書く力


【学力基盤の構築】

学校で取り組む小学生の「書く」活動の一つに、「作文(感想文)」があります。「作文(感想文)」は、身近な話題を題材として、自分の気持ちや考えを、わかりやすく、自分らしく、面白く、素直に書きます。作文の構成は、「起承転結」の4段構成を基本として、読み手の興味や関心を引く魅力的な文章になるように書くことが求められます。こどもたちの身近な話題がテーマになることが多いため、独自性を出すことが難しく、また表現がお友達と似通ったものになる傾向にあることが散見されます。

ことば・語彙を豊富に持つことで、より個性的に自分の気持ちや考えを表現することができます。「ことば・語彙力―学力基盤の構築―🔗」に書きましたが、ことば・語彙は「名詞」だけではありません。動きを表す言葉、感情を表す言葉なども含まれます。さまざまな語彙を知り、使うことを、こどもと一緒に楽しもうとする大人の姿勢も大切です。

この想起のトレーニングが、ひいては「書く力」につながります。まずは会話を通して想起をするトレーニングを繰り返し行うことをお勧めします。
作文の基本的な4構成についても、以下のように大人が導くことで、こどもは少しずつ慣れていくでしょう。

こども

わたしは友達と公園に行きました。楽しかったです。(起)

おとな

何人で、何をしに行ったの?

こども

わたしは友達3人と鬼ごっこをしに公園に行きました。楽しかったです。(承)

おとな

ところが!何か起こったの?

こども

わたしは友達3人と鬼ごっこをしに公園に行きました。ところが、突然大雨が降りました。楽しかったです。(転)

おとな

それは、大変!でも何が楽しかったの?

こども

わたしは友達3人と鬼ごっこをしに公園に行きました。ところが、突然大雨が降りました。みんなあわてて帰ると思ったけど、誰もやめずに雨の中でも鬼ごっこを続けたのが楽しかったです。(結)

しばらくの間は構成、つまり「型」が身につくように上記のように繰り返し問いかけることが大切です。慣れてくると、こどもは問いかけられる内容を前もって意識しながら、型に従って話せるようになってきます。そして、次第に「書く」ことにも大きな抵抗を示すことがなくなり、身近な話題を題材として、自分の気持ちや考えを、わかりやすく、自分らしく、面白く、素直に書けるようになります。
今回は、起承転結を例にまとめていますが、意見を述べる場合も同様に、賛成・反対とその理由などを問いかけ、知識を増やしながら型に慣れていくことが大切です。

書く力


【つまずき】

就学後のこどもは、「読み」「書き」を通して、語彙や知識の習得をしていきます。
ここでは、「書く力」を育むにあたっての「つまずき」の原因や指導ポイントについて解説をします。

「書く」ということについて、まずはこどもがつまずきやすい「長文読解」における記述について説明します。長文読解では、文章の内容理解に重点がおかれることが多いのですが、実際に読解で困っているこどもの様子を見ていると、①文章の内容理解ができていない、②文章の内容はある程度理解できているが、問題の理解が出来ていない(文章理解に必要な指示代名詞の読み取りに弱さがある)ため何をとわれているのかを理解できていない、③文章の内容はある程度理解でき、問われていることも理解できているが、どのようにまとめて書けば良いかがわからない、3つのパターンがあります。
①に関しては、「読解力」のページを参照ください。

②に関しては、長文読解の文章の中から、代名詞を含む2~3文を抜き出し、読み取る練習を段階を踏んで行うとよいでしょう。

次に、つまずきの多い「作文(感想文など)」について説明します。
作文は、自分の体験・経験や、その時に感じた気持ちや抱いた考えを言語化し、文章化し、文字で表現する活動です。

作文は、メモとは異なり、読み手を意識した表現が求められるため、「何を書けばいいかわからない」「どのように書いていけばよいのかわからない」「“〇〇して、楽しかった。”“●●して、嬉しかった。”や“朝7時に起きて、朝食を食べました。8時になったので着替えて学校に行きました。”のように同じ表現の繰り返しや時系列に羅列された事実のみ」などの困り事が多いようです。

作文の指導に関しては、最初から作文用紙に書かせずに、まず作文に書きたい内容を時系列に整理し、やったことや感じたこと(気持ちなど)について会話します。「何をしたか、どう思ったのか。」を1つ1つ整理して作文を書くための素材作りをします。作文全体の説明となる「いつ」「だれが」「どこで」「だれと」「何をした」の書きはじめの文と、文の終わりの内容全体の感想も合わせて確認しましょう。

長文読解の記述・作文を書く場合、問題や課題・条件を正しく理解していることが前提となり、それに合わせて記憶した情報や感じたことなどを活用して「書く」という流れになります。

課題に関する自分の経験や知識、言葉・文法の知識などの情報を脳の長期記憶から引き出しながら記述・作文しますので、相当に高度な作業となります。
(※書く場合、音と文字を一致させ、それに合う文字や漢字を思い出すので、更に負荷がかかるのです。)

こどもにとって「書く」ことはそれだけで抵抗感が大きいことです。四技能のサイクルをうまく活用して、まずは「会話」を通して自分の意見とその理由を「話すこと」から始めるとよいでしょう。

最初は、こどもが好きなテーマではじめることをお勧めします。好きなテーマであれば、知識やなにかしらの経験があるため、アウトプットしやすいからです。このように、脳内の負担も少なくできることから繰り返し取り組むことで次第にアウトプットすることに慣れることでしょう。

「話す」ことに抵抗感がなくなり自信が持てるようになった段階で、少しずつ「書く」ことへ活動を広げていきましょう。スモールステップでできることを広げていくことにより、「書く」という活動にスムースに移行できるようになります。

<参考資料>
国語・算数の初歩でつまずく子への教え方と教材 栗本奈緒子・著

書く力


【トレーニング・レッスン】

ご自宅でできるトレーニング教材・題材として、学校の教科書が最適です。教科書の音読を通して、読んだ箇所に関して感想を問いかけると良いでしょう。

前章「書く力 - 学力基盤の構築 - 🔗」で示した例を参考に会話を組み立てるとよいでしょう。

スタートラインは一人一人異なります。まずは、こどもができていることを認めながら、上記の問いかけを繰り返し、「書く力」を育んでいきましょう。気になる点は都度指摘しすぎず、まずは学習サポーターである大人の意識に留めておきながら、こどもに適したサポートを日々継続するのが良いでしょう。

塾などで配布されるテキストを題材として、教科書と同様に活用するとさらに良いでしょう。設問が正解であったか否かは別として、せっかくの良質な文章を大切に、しっかりと読み取ることができているかを確かめることをお勧めします。

<お薦めのレッスン>

<法人様向けサービス>

Contactよりお問い合わせください。

書く力


【学習アドバイス・ご相談】

一般社団法人ワーキングメモリ教育推進協会理事・株式会社インフィニットマインド上級インストラクターの野瀨まなみが、お子さまの「書く力」に関するご相談に個別にご対応します。

30分 5,500円(税込)

ご相談担当

一般社団法人ワーキングメモリ教育推進協会理事
株式会社インフィニットマインド上級インストラクター

上級インストラクターの野瀨です。
お子さまの“学びの個性”を把握・理解し、個性に合わせた教育を行えば、 学習の筋道や速さが異なっていても、お子さまは、学びの喜びを感じ、自信を持って学習の道を歩み、ゴールに到達することができます。
こどもの「書く力」を育む具体的な学習のアプローチなどご相談事はお気軽にお問い合わせください。